まどろみの中のバレンタイン

Written By コード=ロジック

「ゼーハー、ゼーハー。やっとついた…」
息を切らしながらも太助は何とか家に入っていった。

事の起こりは今日という日にある。
今日は2/14。バレンタインデー。
恋する乙女が強くなれる魔法の日。
太助の周りでも今日という日に執念を燃やす2人の乙女がいた。
ルーアンと愛原花織である。
太助は彼女達からチョコを受け取る気はなく去年と同様逃げ回るつもりでいた。
ところが、その作戦があっさりとばれてしまい街中を逃げ回るはめになってしまったのだ。
しかも、それに乗じてキリュウが試練を課してきたものだから太助の疲労はピークに達していた。
それでも何とか家にたどり着く事ができたのは奇跡だろうか。

「つ、疲れた…」
自分の部屋にようやっとついた太助はベットに突っ伏した。
ちなみに、家に着く少し前にキリュウの試練は終わっていたので太助が家にいることはキリュウと、いっしょにいた離珠以外まだ誰も知らないはずである。
「もうだめ、動けない…」
そう言うと太助はベットに寝転んだまま動かなくなった。

「ただいま〜。」
太助が帰ってきてからしばらくして、七梨家にシャオが帰ってきた。
シャオは学校が終わったあと買い物してから帰宅していた。
「あれ?太助様達いないのかな?」
鍵は開いているのに誰の返事もない。
今朝自分がきちんと鍵をかけてきたので誰かがいるはずなのだが…
玄関を見れば太助の靴はある。
シャオは買ってきたものをしまうと、2階へあがっていった。
「太助様、いらっしゃいますか。」
太助の部屋の前で声をかけたが返事がない。
さすがに心配になり部屋に入ると、太助はベットに突っ伏していた。
シャオは、太助に何かあったのではと思いあわてて彼のそばに駆け寄った。
ところが、
「すー、すー」
気持ちよさそうに寝ているだけだった。
シャオは知らなかったが(太助は試練という名目があったため、シャオに離珠を通じて今日のことは知らせてなかった)、あれだけの逃走劇を演じていたのである。
疲れて眠ったとしてもおかしくはない。
理由はわからないが太助は無事である事にシャオは安心した。
隣を見れば離珠も気持ちよさそうに寝ている。
どうやら、2月とは思えない今日の陽気で眠ってしまったらしい。
シャオは2人が風邪を引かないように布団をかけてやると太助の顔を覗き込んだ。
(太助様の寝顔ってかわいい。)
ふとそんな事が頭の中をよぎった。
シャオは座り込むと手に持っていた包みを太助の枕もとに置いた。
ラッピングを見れば分かるのだがどうやらシャオの手作りチョコのようである。
実は、シャオも手作りのチョコを作っていた。
ただ、家では邪魔が入るため翔子の家で作らせてもらっていたのだ。
もっともそう仕向けたのは翔子だったりするのだが…
それで、今日の買い物の帰りに翔子の家に寄りチョコを受け取ってきたのである。
チョコを置いた後、シャオは立ち去らずにその場に座りつづけた。
そして、
「太助様、私はまだ自分の気持ちというのがよく分かりません。ですがチョコを作っているとき、いろんな気持ちになりました。受け取ってもらえるのか、気に入ってもらえるのか、食べてもらえるのかとか。そう考えているうちになんとなく以前翔子さんが教えてくださった事が分かったような気がします。まだ、気持ちを伝える事はできないけど、
チョコを受け取ってくれますか?」
そう言うと彼女もまたまどろみの中に落ちていった。

ちょうどその頃。
「七梨せんぱ〜い、どこにいるんですか〜。」
「た〜様〜、いったいどこなのよ〜」
恋する乙女達は、いまだ愛しの人を探していた。


後書き

こんにちは、コード=ロジックです。
「まもって守護月天!」私の初の短編小説、何とか書き上げました。
とは言うもののなんかあんましできはよくない…
ほとんど突貫工事状態で書き上げたんであまり納得してはいないんですが…
まあ、おおめに見てやってください。
ネタは見てのとおり時期物。
バレンタインです。
去年のガンガンNo.3、No.4(コミック6巻、7巻)を読みなおしていたときにふと思いついた話で、これに第16話、第17話の那奈姉が帰ってくる話の1部をヒントにし
て書いたんですが…
ううっ、これ以上書くとドツボにはまりそうなんで止めときます。
これを手直しする事は…ないかもしれないなぁ。
できれば直してみたいですけど。

それから、今回ほとんどのキャラを出していません。
キリュウや翔子は名前だけ。
出雲やたかしなどは名前すら出てこない…
はっきり言って彼らまで書く余裕がありませんでした。
もし出してしまうと収拾がつかなくなってしまう…
書き手の経験不足です。
彼らのファンの方ごめんなさい。
以上、お詫びのコーナーでした。(^_^;)

このストーリーに関する感想、苦情などは次のアドレスまでお願いします。
それではまたお会いしましょう。

1999年 2月14日
メールアドレス:cord@remus.dti.ne.jp
コード=ロジック


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