異界守護月天封印十魔将伝
5
燃え上がる魂
−炎の魔将覚醒−
プロローグ
魔将達と別れたあと、才蔵はもう一つ、本来の目的地へと向かった。
1
残者
一方、鬼の兇将こと鬼一は才蔵に連れられて神の聖将の経営する会社のビルの最上階にある小会議室へと来ていた。
「久しぶりですね、鬼の兇将・・・・・いえ、気の聖将と呼んだ方がいいですか?」
微笑みながら正信は鬼一を見遣る。
「・・・・・・そんなことはどうでもいい。それよりも無源の兇将の力を抑える、いや打ち消す方法というのがあると聞いた
が、本当なのか?」
正信の言葉に少し沈黙するも、鬼一は逆に問い返す。
「久しぶりにお会いしたのに、寂しいですね。せっかく夢幻の聖将と気の聖将が戻ったというのに。宙と霊の聖将がいれば久しぶりに10
聖将がそろったんですが」
そう、もともとは聖将側も10人の強い力の能力者がいたのである。だが、夢幻と気の聖将が離反したために八聖将になっていたのだ。
その原因を作った砕の兇将、才蔵は二人のやりとりをただ見ていた。
「そんな昔のことはどうでもいい。あいつを元に戻す方法があるなら教えてくれ。交換条件があるならなんでもしよう。魔将達の力を
借りると聞いたが、それはどういうことなんだ?」
「魔将達を生け捕りにして、彼らの命、力と引き換えにするんですよ。彼女の力が転換したのは砕の兇将の虚無的な心に触れてしまった
ため。ならその虚無を埋めるだけの力を集めて彼女に与えるんですよ」
鬼一の詰問に正信は笑って答える。
しかし、その内容は魔将の命を代償に無源の兇将の力を打ち消すということだった。
「それで、本当に未夢は助かるのか?」
「実際にやらないと分からないですが、確立は高いと想いますよ?」
実際に試したことがないため、確証はないものの自信はありそうな正信にやや不審な目を向ける鬼一。
しかし、このままではいつかは未夢の力を抑えきれなくなるのは明白なため、いずれにせよ鬼一は正信の提案を受け入れざるを得なかっ
た。
「魔将達を生け捕りにすればいいんだな・・・・・?」
「ええ、殺したら駄目ですからね・・・・・・生け捕り、じゃないと。やる気になられたなら実行は早い方がいいでしょう。偵の聖将を
案内につかせますから、別室で待機していて下さい」
鬼一の覚悟を決めた様子に満足そうに微笑む正信。
「分かった・・・・・・・・・」
ドアを開け、鬼一は部屋を出て未夢のいる部屋へと向かっていく。それを見送って才蔵がようやく口を開く。
「そう言えば、鬼の兇将はもとは気の聖将だったな・・無源は夢幻の聖将、俺のせいで力が狂ってしまった訳だが・・・・・」
「鬼の兇将は力の質そのものは変わってないでしょう、呼び名は変わりましたが・・・・・しかし、皮肉ですね。無源の兇将を生み出す
きっかけになった貴方の案内で、無源の兇将を守る為に鬼になった気の聖将がやってくるというのは」
力が狂う、それはごく稀に起きる能力者特有の現象だった。
夢幻の聖将はその力―人に夢や幻を見せ、操ったりその夢幻の中で相手を殺す―で、聖霊団に味方する国や村を壊滅させていた砕の兇将
を倒そうとし、逆に砕の兇将の狂気に触れて力が狂ってしまい、無源、無の源の兇将となってしまったのだ。
「それを言うなら、その砕、鬼、無源の兇将を封印したお前のもとに、お前の傘下の国を壊滅させもした俺がいる方が皮肉だろう。
俺が兇将になる要因を作った聖将の側に、俺がいることが」
「でも、それも結局は昔の話です・・・・そうでしょう?」
正信の言葉に笑い、その通りだと頷く才蔵。前世において、彼もまた聖霊団の侵略の被害者だったのだ。
「さて・・・・・私はそろそろ仕事に戻ります。話も終わりましたしね」
「そうか・・・・・それなら俺は部屋に戻るとしよう」
正信に別れをつげ、才蔵はその部屋を後にする。
「もう少し・・・もう少しで俺の願いがかなう。そして俺の体の元の主の願いも・・・ふふ、ふふふ・・・ははは・・・」
静かな狂気を瞳に宿し、才蔵は楽しそうに笑いそのまま宛がわれている部屋へと立ち去っていった。
2
鬼哭抄(きこくしょう)
「ルーアン殿・・・・・気付いておられるか?」
「ええ、嫌な気配をびんびんに感じるわね・・・・・・?」
まっすぐな道の途中、狭い路地と大きな路地の交差する場所の数メートルまできたところで二人が立ち止まる。
「どうしたんだ?ルーアン先生、キリュウちゃん」
二人が立ち止まったのを不思議そうに見てたかしが聞く。
「そうね、交差点に鬼がいる・・・・って感じかしら?」
ルーアンの言葉にたかしが不思議そうに首をかしげたとき、十字路の真ん中へと大柄な男が姿を表わす。
「久しいな、太陽の魔将、大地の魔将・・・・それに水と闇の魔将」
「なんで私と乎一郎さんだけおまけみたいに言うんですか・・・・・・」
鬼の兇将、鬼一の言葉に微妙に文句を言う閃光。
「それで、鬼さんは私達に何のようなのかしら?」
挑発的な態度をとりつつ、後ろにいるたかしを守るように乎一郎と閃光に手で指示をだすルーアン。
「お前達魔将の身柄をもらい受けにきた、大人しく従えばよし・・・・・」
「従わなかったらどうするのだ?」
言葉を切った鬼一にキリュウがすっと身構える。
「もちろん、力づくでも応じて貰う!」
どんっ!と力強く一歩を踏み出し、鬼一がキリュウ達の方へと拳を突き出す。
「鬼功弾(きこうだん)!」
「地練掌(ちれんしょう)!!」
うっすらと輝く気の弾丸がキリュウに向かい放たれるが、キリュウも両の手のひらを突き出してその弾丸を弾こうとする、しかし!
「くぅぅぅぅぅぅぅぅっ!!」
掌で弾丸を受け止めることには成功したが、そのまま弾丸の力に押されてはじかれ、壁にめり込んでしまう。
「キリュウ(ちゃん、さん)!?」
「だ、大丈夫だ・・・・・・・・・」
壁からなんとか抜け出したものの、キリュウはその場に膝をついてしまう。
「俺の一撃を受け止めたのは誉めてやるが・・・まだまだ力が足りないな」
そういうと鬼一は拳を腰溜めに構え、もう一度気弾を放つ構えを取る。
「そうはさせないわよ!!輝光流(きこうりゅう)!!」
構えを取る鬼一にルーアンは腕を胸の前で一度交差させ、両手に己の力の源である陽光を集め、腕を十字に構える。
「ちっ!!豪腕風(ごうわんふう)!」
十字に構えたルーアンの両手から光の奔流が鬼一へと放たれるが、鬼一が己の力を込めて腕を振り、それによって生まれた力の風が
光の奔流を打ち消す。
「ウソ・・・・・・・・・・?」
昼間、太陽の下で放った自分の技の中でも上位のものを打ち消させれて、やや呆然とするルーアン。
「今のがお前の全力か・・・・?この程度では、あいつは救えない・・・・」
やや失望したかのような声をあげ、今度は鬼一が両腕をクロスさせ、自分の両肩を抱くようにし気を高めていく。
「ルーアン先生!伏せて!!」
尋常ではない力を感じた乎一郎は常備していた水筒をあけ、中に入っていた水を操り始める。
「防いで見せろ!!鬼哭(きこく)!!!」
やや前傾姿勢で両腕を勢いよく振り下ろし、絶叫しながら己の中で練った気を放出する鬼一に対し、乎一郎は水を己の武器、貫水弓
に変え相手が技を放つより早く空へと向い矢を放つ。
「貫水矢、水龍招(かんすいし、すいりゅうしょう)!!」
空に打ち出された矢は途中で花火の様に分散し、その一滴一滴が大気中に漂う水分を吸収して一気に巨大な龍へと姿を変え、鬼一と鬼一
の放った技へと突進していく。
「ウォォォォォォォォォォォン!!!」
無数の水龍と鬼一の放った力がぶつかり双方が消滅し、辺りに霧が立ち込める。
「す、凄い・・・・・・乎一郎ってあんなことができるんだ・・・・・」
乎一郎の放った技に興奮したように呟くたかし。
「あれは水の魔将である遠藤くんが放てる技の中で、おそらく一番強力なものです。いかな鬼の兇将といえどあれでは・・・・・」
たかしを守る形で構えていた閃光が期待を込めた声で呟く。
「残念だが、あの程度ではな・・・・・俺を倒す事はおろか、止めることすらできないな」
「!!??」
霧の中、さしたるダメージを受けた様子すら感じさせない鬼一の声に、その場にいる全員に戦慄が走る。
「み、みんな!逃げるよ!!五里霧中(ごりむちゅう)!」
霧が渦巻いていっそう濃さをまし、視界を遮る間に逃げようと乎一郎が惑わしの技をかける。
「霧中・・夢中・・そう、あいつは今も夢の中をさ迷ってる。その夢を覚ます為にも、お前達が必要なんだ!鬼爆咆(きばくほう)!」
腕を一度天に向けて構え、気の力を地面へとたたきつけてそれによって生じた爆風で一瞬にして霧をかきけす鬼一。
「そ、そんな!?」
あまりの出来事に呆気に取られるルーアン達。
「お前達の力はその程度かも知れないが、他の魔将達に期待するとしようか・・・・・」
呟くと鬼一は再び両腕を両肩を抱くように交差させて力を高め始める。
「深い夜の闇の中、万里を駈ける鬼の慟哭、耐えれるものなら耐えてみよ!!鬼哭!」
爆発的に高まった気の力を一気に解き放つ!
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっっっ!!!!!」
まさしく鬼が慟哭しているかのような声が響き、その声に込められた力はルーアン達を吹き飛ばし、辺りの壁面を崩れさせていく。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
「くぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!?」
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
「のわぁぁぁぁぁぁぁ!?」
五者五様の悲鳴をあげ、ごろごろと転がり障害物に当って停止するルーアン達。
「う、くぅぅぅ・・・・・・・・・・」
吹き飛ばされたときに頭部を強打し、たかしは意識が一瞬飛びかけるのを感じていた。
「無関係のものを巻き込んでいるのはすまないが・・・・・これも妹を、無源の兇将となった未夢を助けるためだ」
たかしの方を一瞥し、鬼一はルーアン達の方へと歩き始める。
「妹のためって言いましたね・・・・・・・?」
全員が地面に這いつくばっているなか、ふらふらとしながらも立ち上がる閃光。
とっさに防御姿勢をとり、受身をとったおかげでかなりのダメージはあるものの、なんとか立てるぐらいの余力はあった。
「ああ、力に不幸にして目覚めてしまった妹を助けるため、あいつの力を消すためにお前達の命と力が必要なんだ」
「誰かを犠牲にして助かって、妹さんが本当に喜ぶと想うんですか!?」
鬼一の言葉に悲しそうに叫ぶ閃光。
「お前に何が分かる!!前世より封印され、転生を自ら拒絶したあいつの苦しみ!そして封印がとけて転生してしまい、己の力が
目覚めてしまったあいつの悲しみが、お前に分かるのか!?そしてあいつと一緒に封印を選び、転生して兄として生まれ、あいつ
の側でずっとあいつの幸せを願い見守ってきた俺の想いが、お前に分かるのか!?分かるはずがない!」
「分かります!私にはお兄ちゃんがいました!でも、お兄ちゃんは私が魔将として目覚める数ヶ月前にいきなり神隠しにでもあっ
たみたいに忽然と失踪してしまいました。とっても優しくっていっつも私を見守ってくれてて・・・・・だから、そのお兄ちゃん
が私の為に人殺しをして私を救ってくれても嬉しくなんてない!お兄ちゃんに罪を犯させてまで助かっても、絶対に喜んだりしな
い!絶対に悲しむだけです!!」
鬼一の魂の叫びに、閃光の絶叫にも似た答えが返り、しばしその場を静寂が包み込む。
「そうかもしれない、あいつはそうやって目覚めたとしても喜びはしないだろう・・・・・」
「鬼の兇将さん・・・」
鬼一の言葉に閃光の表情が明るくなる。
「だが!俺はあいつの声を聞きたい!あいつとまた話したい!あいつが目覚めるなら相手が例え神だろうが悪魔だろうが、この魂
だって売り渡すだろう!他人の命が必要なら俺がこの手で奪ってもいい!おれは、あいつの為なら鬼になると決めたんだ!!」
まさしく鬼そのもの、の形相で叫ぶ鬼一に閃光が呆然とした声をあげる。
これこそが彼をして鬼の兇将と言わしめた理由なのである。愛する者のために鬼となり、前世では幾人もの命を奪ってきた。
「そ、そんな・・・・・」
分かってもらえた、そう想ったのにという気持ちで一杯だった。
「今度は立ち上がれないくらい、声も出ないくらいにしてやろう」
三度、鬼哭の構えに入る鬼一に閃光はただただ立ち尽くすばかりであった。
力をもっとも発揮できる夜ならいざしらず、この昼日中では相手の技を防ぐ術は閃光には全くなかった。
「閃光ちゃ・・・・・・逃げるんだ・・・・・」
朦朧とする意識の中、うっすらと聞こえていた会話にたかしがかすれた声で呟く。
しかし、その声は閃光のもとに届けるには余りに小さい声であった。
「俺の大切な妹のため、お前達には贄になってもらう!鬼哭!!」
そして三度目の鬼哭が放たれた瞬間、閃光の前に巨大な火柱があがった。
3
炎歌(ほむらうた)
三度目の鬼哭が放たれる前、朦朧とした意識の中でたかしは頭の奥から響いてくる声を感じていた。
(・・ち・・・ら・・・・欲・・・・・か・・・?)
「なんだよ・・・・聞こえない・・・・もっとはっきりしゃべれよ・・」
(ち・・か・・ら・・が・・欲・・し・・い・・か・・?)
途切れ途切れな声に、たかしが苛立たしげに呟けば徐々にはっきりした声で声が響いてくる。
「力・・・・・・欲しい、みんなを守れる力が・・・・あいつなんかに負けない力が・・・・・」
(力が欲しいか・・・・?)
朦朧とした意識が徐々に覚醒していくのを感じつつ、たかしは答える。
「欲しいっ!俺にも力があれば、みんなと一緒に戦える!みんなを守れる!」
(力が欲しいならば、くれてやろう・・・・しかし、その為にお前は何かを失うかもしれない、そう、下手をすれば命を失うかも
知れない・・・・・それでも力が欲しいか・・・・?)
「俺の命でみんなを守れるなら、命なんて惜しくない!命を惜しんで、みんなを見殺しにするぐらいなら、命がけで戦う方がいい!!」
ためらうことなく答えられた言葉に、声、はやや苦笑いするかのように応じる。
(そうか・・・・ならば、力が欲しいならくれてやろう・・・・最後にもう一度問おう、力が欲しいか!?)
「欲しいっ!!」
(良かろう、ならばお前に力をくれてやる!!お前の中で眠りつづけていた力、今こそ目を覚ますとき!!)
間髪いれずに答えたたかしに、声は力強く高らかに声をあげる。
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
身体の奥から沸いてくる熱い物を迸らせるかのようにたかしは叫び声をあげ立ち上がり、今まさに鬼哭の放たれた閃光の前に立ち塞が
り、両手を広げる。
「野村くんっ!?」
突然目の前にたった少年に驚愕の声をあげる閃光。
「閃光ちゃん!目を閉じてっ!」
「は、はいっ」
たかしの声の大きさと勢いに反射的に従い、目を閉じる閃光。
「火炎術五十の型!豪炎柱(ごうえんちゅう)!」
たかしの足元から勢い良く炎が吹き上がり、たかしの前方に巨大な火柱があがり鬼哭とぶつかりあい、せめぎあい打ち消しあう。
「なにっ!?」
目の前で突如おこった光景に鬼一が驚愕の声をあげる。
「目を覚ますのが、遅いんじゃないの・・・・?」
吹き飛ばされた格好のまま、地面に倒れているルーアンがやや皮肉っぽく呟く。
「遅すぎなかったということで、許してくれよルーアン先生」
油断なく鬼一の方を向き、ゆっくりと構えながらたかし―火の魔将―が答える。
「さーて、よくも俺の友達を酷い目にあわせてくれたな?でも、この火の魔将、野村たかしが目覚めた以上好き勝手にはさせないぜ」
「目覚めたばかりの魔将が増えたところで、どうなるというのだ?」
調子に乗っているたかしに、冷たい目を向ける鬼一。
「そうだな、例えばこうなるとか!火炎術四の型、大火輪!!」
たかしが大きく腕を振れば手の先から炎が溢れ、直径2mの炎の輪が鬼一目掛けて放たれる。
「下らんな・・・・・・ふんっ!!」
向かってくる炎の輪に鬼一が気合をこめて手を突き出せば炎の輪が一瞬にしてかき消されてしまう。
「それなら、これでどうだっ!火炎術二十五の型!狐炎弾(こえんだん)!」
たかしが両手を指を伸ばして広げ意識を集中させると指先に十の炎が生じ、それが一気にボーリングの玉大にまで大きくなり鬼一へ
と放たれる。
「所詮は同じこと・・・・む?」
先程と同じようにかき消そうと手を伸ばしたものの、炎がゆらめいてまるで意思を持っているかのように無茶苦茶な軌道をとり始める。
「それを防ぐのは難しいぜ?」
ふふん、とばかりに言うたかしに再度冷たい目を向ける鬼一。
「難しいのか?はぁぁ・・・・・ふんっ!!」
裂帛の気合と共に鬼一の身体から衝撃が放たれ、狐炎弾全てが消し去られてしまう。
「うげ・・・・ってことは射出系の火炎術は防がれるってことか・・・・・・」
気合一閃で大抵の技を防ぐ鬼一にたかしは呟き、片手を空へとかざす。
「わが召喚に応じ、我が元へ来たれ!火炎術召喚技、火炎獅子!!」
瞬間、たかしの手が真っ赤に光り輝いて炎を身にまとった二匹の獅子がその姿を現す。
「凄い・・ですね・・・・・」
ふらつきながらも、ルーアンの方へと向かい呟く閃光。
「そうね、あの鬼の兇将を相手に物怖じしてないなんて・・・・」
「いえ、そうじゃなくて・・・・確かに、それも凄いですけど。覚醒したてなのに、火を自在に召喚してるじゃないですか。しかも
火炎獅子まで」
「そう言えば・・・・そうね」
言われてみて初めて気付いた、というようにルーアンは頷く。
目覚めたばかり、力がある程度は戻っている乎一郎や閃光でさえ自身の力を引き出すために水、密閉した箱の闇といったものを用いなけ
ればならないのに、たかしは目覚めてすぐに火を何もないところから生み出したのである。
「覚醒してからそこそこ私も経ってるんですが・・・・あそこまで自在に闇を生み出せないのに・・・・なんででしょう」
たかしの方を見ながら、閃光は不思議そうに首をかしげる。
「それは熱い炎が胸に燃えたぎっているこの野村たかしだからさ!」
親指をグッ!と立てて閃光へと振り返って笑うたかし。
「余所見をしてる場合じゃないでしょ!たかしくん!!」
余裕を見せているたかしに、乎一郎が大声で怒鳴る。
「水の魔将の言うとおりだな」
慌てて前を向くたかしの目の前に一気に間合いを詰めた鬼一の拳が迫る。
「うわわわっ!?」
尻餅をつくような形でなんとか拳をよけたものの、今度は膝が顔面に迫る。
「「ガォォォン!!」」
しかし、間一髪のところで火炎獅子が飛び掛り、鬼一は攻撃を避けてたかしとの間合いをあける。
「危なかったぁ・・・・」
慌てて立ち上がり、鬼一の方へと向かうたかしを見て乎一郎が異変に気付いた。
「あれ・・・・?変だよ、たかしくん」
「何が変なの?」
乎一郎の呟きにルーアンが怪訝そうな声をあげる。
「だって、ほら・・・・・汗・・・全然かいてない。顔とか真っ赤になってて、普通なら汗びっしょりになってるのに」
「汗をかきにくい体質なのではないか?」
キリュウが不思議そうに乎一郎に聞くが、乎一郎は首を左右に振る。
「たかしくんが汗をかきにくいって聞いたことないし、実際そうじゃないよ?」
真実、鬼の兇将のプレッシャーを感じながら戦い、汗の一つもかかないというのは異常なことである。
「もしかして、たかしくん・・・・・・・だ、駄目だよ!たかしくんをとめなきゃ!」
「ど、どうしたんですか?遠藤くん?!無理したら駄目!」
ダメージの所為で動かない体を無理に立ち上がろうとする乎一郎を閃光は驚いたように見て抑えようとする。
「たかしくん!その術は使ったら駄目だよ!!」
「その術というのは、なんなのだ?」
乎一郎の様子に尋常でないものを感じたキリュウがたかしと乎一郎を交互に見て言う。
「火炎術秘技、命炎生(めいえんしょう)。身体の中で燃えている炎を実際の炎として呼び出す術。使えば使うほど生命力を削る技」
たかしがゆっくりと息を吐きながら答え、鬼の兇将へと構える。
「なるほど・・・・・・・どうりでお前から感じる気の質が異様に高い訳だ。命を削りながら戦っているんだからな」
目覚めたばかりの将にしては異常なまでの活性化をした理由がわかり、納得したように頷く鬼一。
「悪いけど、一気に決めさせてもらうぜ。火炎獅子よ、我が力もて紅蓮の炎を纏え!」
拳を高々と掲げ、たかしが二匹の火炎獅子に紅蓮の炎弾を放つ。
「ガォォォォォォォォン!!」
紅蓮の炎弾を受けた獅子たちはそれを吸収し、一回り大きな身体、紅蓮の炎をまとった獅子へと姿を変える。
「火炎術召喚技奥義、紅蓮転生、紅蓮獅子!」
「獅子達を強化してどうするつもりだ?」
二匹の獅子を警戒しながらゆっくりと拳を引き技の準備動作へ入る鬼一。
「こうするんだよ!」
叫んで両拳を天へと掲げるたかし。
「炎よ、我が両拳に・・・・・・・」
たかしの声に二匹の獅子が反応し振り返る。
「集え」
紅蓮獅子の一匹の身体がゆらめき、炎の塊となってたかしの右手に宿り、
「来たれ」
もう一匹も同様に炎の塊となりたかしの左手に宿る。
「火炎術拳技、双炎拳!」
両拳を振り下ろしたとき、たかしの両拳を紅く輝く炎がまるで篭手のようになり包んでいた。
「いくぞぉぉぉぉぉ!」
拳を構え、一足で相手との間合いを詰めて拳打の嵐を見まうたかし。
「ぬぅ!」
その全てを受けきり、鬼一はたかしを蹴り飛ばし再び間合いをとる。
「いってぇ・・・・・・・・なんなんだよ、こいつの硬さは?!」
篭手をつけていても痛みを覚える程の硬さに驚いて鬼一を見たたかしが見たものは、全身を覆う鎧をまとった鬼の兇将の姿だった。
「鬼硬鎧(きこうがい)、それがこの鎧の名だ。命を賭して戦うお前に敬意を表し、俺もこの姿で闘おう」
指先には鋭いつめ、肘や膝には角のような突起、そして兜には二本の角。禍々しい鬼の姿がそこにはあった。
「俺の双炎拳で全然傷が付いてないなんて・・・・・・・・」
黒くすすけたところはあるものの、傷一つ入ってない様子に唖然とするたかし。
「これがお前の全力なら・・・・・・終わりだな」
ゆっくりとたかしに近づきつつ、手甲の先の爪を伸ばす鬼一。
「仕方無いけど・・・・・・使わないとやっぱり駄目か・・・・・・」
そう呟いて、右手を天に掲げるたかし。
「全力で来い・・・・・・・・」
相手の出方を見るように立ち止まる鬼一。
「なんで、仕掛けないんでしょう・・・・・・?」
立ち止まった鬼一に訝しげな声をあげる閃光。
「そうね・・・・それに、あたし達を吹き飛ばしたときの勢いもないし・・・・・・なんで?」
「力を使いすぎたか・・・・迷っているのか」
ルーアンの呟きにキリュウが呟いて答える。
「迷ってる・・・・って、どういうこと?キリュウちゃん」
「それは分からぬが・・・・・・・・・」
そうこう言ってるうちにたかしの技が完成していく。
「火炎術拳技奥伝、蒼炎拳!」
左手に宿っていた炎の篭手が右手の篭手と混ざり合い、蒼く輝く炎へと変わっていく。
「それがお前の全力か・・・・・・・・なら、俺も全力で応えよう」
紅蓮の炎よりも熱い炎を見て、鬼一も鎧を変化させていく。
鎧は収縮をはじめ、右手に集まり、たかし同様の篭手へと形を変えていった。
「いくぞ、火の魔将!」
「こい!!」
二人が一気に間合いを詰め、拳を振り上げ相手へと叩き込もうとした瞬間。
「硬変鋼」
一本の鋭い針が鬼一の肩にささり、鬼一の腕が硬直して、たかしの一撃をまともに受けてしまう。
「くぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあっ!?」
身体を走る炎に悶えつつも硬直した腕を見る鬼一の目に、黒光りする鋼と化した自らの腕が映る。
「あれは・・・・・・鋼の魔将の技!?」
力を用いれば、触れた物全てを鋼へと変化させることのできるのが鋼の魔将の力。
「邪魔をするなぁ!!」
その場へと崩れ落ちる鬼一を呆然と見ていたが、二本目三本目と飛んでくる針を炎で焼き払い、飛んで着た方向を睨むたかし。
「鬼の兇将を倒す千載一遇のチャンスを無駄にする気ですか?」
無事だった電柱の影から、前髪をふぁさっと書き上げながら神主姿の青年が現れる。
宮内神社の跡取り、宮内出雲。
「いずピーが鋼の魔将だったのね・・・・・・」
「誰ですか?あの人・・・・・・」
初対面の閃光が首をかしげる。
「自己紹介は後にして、まずは鬼の兇将の始末を・・・・・」
髪の毛を一本抜き、鋼の針へと変化させて投げようとする出雲の前に、火炎弾を打ち込む。
「卑怯な手を使って俺達の邪魔をするな!鬼の兇将!逃げろ!!」」
「火の魔将・・・・・すまん・・・・・鬼通道(きつうどう)」
瞬間転移の技を用い、一瞬でその場から姿を消す鬼一。
「何のつもりですか?野村くん」
鬼一を逃がしたことを非難する目でたかしをみつめる出雲。
「一対一の勝負で横槍を入れるからだ」
燃える炎のような目で睨みつけるたかしに、出雲は溜め息をついて肩を竦める。
「鬼の兇将を倒すチャンスだったのに・・・・・仕方無いですね。私は神社にいます。お話したいことがあるので皆さんで後で神社に
来るように伝えて下さい、キリュウさん」
話にならない、そう呟いてきびすを返し歩き出す出雲。
「くそ・・・・・・・・・」
力を使いすぎたのか、蒼炎拳が消えその場に崩れるように座り込みそうになるたかし。
「火棘さま!」
炎が消え、崩れるたかしを走って来た花織・・・花梨が支える。
「花織ちゃん・・・・・・・いや・・・・花梨どの・・・・・・?」
驚いたように目を見開くたかしに・・・・・・遠い過去の記憶が流れ込み始めた。
パチパチ、パチパチ。
森の木々が燃えてはぜる音が聞こえてくる。
「火計は成功したみたいだな」
紅蓮の炎に包まれた獅子を従え、燃える森の中に一人の男が立っていた。
火の魔将、火棘(かきょく)。
「草木の魔将に敵を森の中で迷わさせ、俺が火計で全滅する・・・策としては上々だが、何も知らない草木の魔将には酷なことだな」
森の草木は全て友達、そう言っていた少女のことを思い出し、作戦後の彼女の説得をどうするのかと考える火棘。
「火も完全に森に回ったようだし、俺もそろそろ退去・・・・っ!」
ずしゃぁっ!
突然、木々の先端が火棘目掛けて絡みつき、地面から木の根と思しきものが脚を絡めとろうとする。
「草木の魔将か・・・・・・・・」
両腕、両足を絡め撮られ、宙吊り気味になりつつ火棘は周りを見渡す。
「どうして・・・こんな、酷い事を・・・・するんですか・・・・・」
木々の奥から、ともすれば炎の音で掻き消されそうな声が聞こえる。
「草木の魔将・・・・・花梨殿か・・・・これは何の真似だ?」
「何の真似・・・・それはこっちの台詞です!早く、早く火を消してください!!みんな、痛がってる、苦しんでます!早く
火を消して!!」
火棘の淡々とした問いかけに対し、花梨はややヒステリックなまでに大声をあげる。
普段はおどおどしたような、小さい声でしゃべる分、火棘は珍しいものを見たと感じていた。
「聖霊団を、敵兵を全滅させる為の策。俺や花梨殿の一存で止めることは出来ないな」
「そんなの関係ないです!森の木々も、動物も、みんな苦しんで・・・・・・こんなひどいこと、早く辞めて下さい!」
ぎゅぅっ!火棘の戒めを強くし、火計の中止を強く求める花梨。
「少なくとも、敵兵たちが全滅するまでは消すわけには行かないな」
「どうしてですか!全滅させなくても、追撃さえ防げばいいじゃないですか!!」
森に迷い込ませても、植物がひどく傷つけられない限りは敵兵を傷つけずに花梨はいつも返していたのだ。
敵とはいえ、命を奪う事にためらいが彼女にはあるのである。
「悲しいことだが、これは戦争なんだよ。それに俺の国も、花梨殿の国も、あいつらのせいで滅亡したのを忘れた訳ではあるまい?」
「それ、は・・・・・・・・・でも、今焼け死んでる人達は関係ないかも知れないじゃないですか!」
「だが、関係あるかも知れない」
火棘の言葉に沈黙する花梨。
「とにかく、そろそろここを出ないと俺達も火に巻かれるぞ?いい加減、これを解いてもらえないか?」
「いやです」
火棘の言葉にむべもなく花梨は首を振る。
「俺はともかく、花梨殿が危ないんだがな・・・・・・・・」
火の魔将の自分は火をさける術を持っているが、これ以上草木が燃えては彼女が身を守る術を失う。
もちろん、自分が彼女を守ればすむ話だが、自分の世話になることを彼女が良とする雰囲気でもない。
それを心配した火棘の言葉にも花梨は耳を傾けようとしなかった。
「仕方無い、神経を逆なでするかも知れないが・・・・・・・」
戒めている木を焼き払おうと集中したとき、火棘は背中に悪寒が走るのを感じた。
「まずいっ!花梨殿、逃げろっ!!」
叫び、炎で一気に木を焼き払い、花梨を突き飛ばす火棘。
「きゃぁっ!?」
あっさりと突き飛ばされる花梨を横目に、紅蓮獅子を自分の壁になるように並べようとした瞬間!
ざしゅっっっっ!!!
「ぐ・・・・・・・・・・・・」
壁を作る暇を与えず、目に見えない速さで突っ込んできた神の聖将の刀が火棘の胸を貫いた。
「残念、ですね・・・・・草木の魔将を狙ったんですが」
突き飛ばされて倒れている花梨を見て神の聖将が苦笑いする。
「か・・・りん・・・・どの、にげ・・・・・ろ」
「あ・・・あ・・・」
目の前の光景に花梨はずりずりと尻餅をついたまま後ろに下がる。
突然の敵の乱入、そして火棘の胸を貫いている刀。一度に起こった事に頭が着いて来れないのだ。
「火の魔将でも別にいいですね・・・・ついでに、草木の魔将も始末しておきましょうか」
神の聖将が呟き、火棘から刀を抜こうとした瞬間、火棘が神の聖将の手首を掴み己の胸を貫く刀の刃を筋肉で締め付ける。
「何のつもりですか?火の魔将。往生際が悪いですよ?」
ぐり、っと相手の胸の中で刃を捻り、えぐって止めをさそうとする神の聖将。
「ごふっ・・・・はぁ・・・・っく・・・ある意味、千載一遇の好機・・・・お前も、道連れだ・・」
口から大量の血を吐きつつも、壮絶な笑みを浮かべ、火棘は神の聖将の手首をさらに強く握る。
「紅蓮獅子・・・・・花梨殿を・・・・連れて逃げろ・・・・・」
火棘の言葉に、身にまとう炎を消した紅蓮獅子が花梨の服の首根っこを咥え、振り回して自分の背中に乗せて走り始める。
「火、火棘さんっ!?」
「そうはさせませ・・・くぅっ!?」
死にかけの人間とは思えない力で手首を握り締められ、顔をしかめる神の聖将。
「お前は、ここで・・・・俺と死ぬ・・・・・んだ・・・・・・火炎術、爆の型最終奥技・・・魂爆命焼(こんばくめいしょう)!」
一気に火棘の力と気が高まり、さらにその場に残っていた紅蓮獅子が炎の壁にその身を変えていく。
「これは・・・・・さすがにまずいですか」
この状況下でも、まだ神の聖将は余裕の態度を崩していなかった。
「うぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」
極限まで力と気を高め、火棘は紅蓮獅子の結界の中で己の魂と命を爆発させ、結界の中のもの全てを焼き尽くす炎を発生させた。
大地まで溶かすほどの高温の炎が静まり、結界の中のものが何もかも燃えた中で神の聖将はかろうじて立っていた。
「護神壁・・・・・・火の魔将、幾ら貴方の命の炎でも私のこの結界は破れないですよ」
そう呟く神の聖将の身体を薄く輝く光の膜のようなものが覆っていた。
これこそが神の聖将の誇る絶対不可侵の防御壁、どれだけ強力な攻撃も、高温も、この防御壁の前では無力なのである。
「とはいえ・・・・・・・さすがに堪えましたね」
炎と高温は防いだものの、その中にさらされ続けていた神の聖将はその場に膝を付く。
「あれを防ぐだけの護神壁を維持するのは、さすがに消耗しますね・・・・・・とにかく、この場を退避しないと煙に撒かれてしまい
ますか・・・・・神通道」
瞬間移動の術を使い、その場を去る神の聖将。
そして、誰もいなくなった場所に火の魔将の無念を語るかのように炎がくすぶり続けていた。
花梨は無事逃げる事が出来た、しかし自分の為に火棘が死んだことを戦いの中で命を落とすまで後悔し続けていた。
「ごめんなさい・・・・火棘さん・・・・私の代わりに、私のせいで・・・・・」
「花梨殿の大切な友を焼き払った罰だ・・・・貴女が気にする必要はない。それに貴女を無事に逃がせたのだ、それでいい」
目から大粒の涙をこぼし、必死に謝る花織―花梨―にたかし―火棘―は優しく首を振り、そっと涙を拭う。
「火棘さん・・・・・本当にごめんなさい・・・・ずっと、ずっと・・・・謝りたかった・・・・・・」
相手の胸に顔を埋め、泣きじゃくる花梨を優しく抱きしめ、火棘はずっと背中を撫で続けていた。
「花梨殿・・・・・・・そろそろ、逝かねば・・・・・」
「そう、ですね・・・・・・」
呟き、顔を上げた花梨と火棘はその場にいる全員に顔を向け立ち上がった。
「現世の魔将達よ、一つ忠告しておこう・・・・・砕の兇将には気をつけろ」
「そして、光の魔将の復活を待っても無駄です、あの方は転生してません・・・・・」
二人の言葉にシャオ達に動揺が走る。
「光の魔将が転生してないって、どういうことなんですか!?」
淡い燐光を放ちはじめ、その存在を薄れさせつつ火棘と花梨はシャオの問いに答えることなく冥界へと旅立っていった。
「一体、どういうことなのだ・・・・・・光の魔将は転生してないとは」
最後に残された言葉に、キリュウが、他の皆が動揺、不審、不安の表情を浮かべる、ある二人を除いては。
「野村先輩、いつまで抱きついてるんですかっ!!エッチ!!」
背中から取り出した巨大ピコピコハンマーでたかしをどつき倒す花織。
「お、俺のせいなのか・・・・俺が悪いのか・・・・・?」
鬼の兇将との戦い、火棘に身体を貸したことで気力が限界にきていたたかしは、その一撃でノックダウンされ、その場に崩れおちた。
「あぁぁぁぁぁっ!?野村せんぱーい!?」
「か、花織ちゃん、そんな揺さぶったら駄目だよー!」
エピローグ
プルルルル、プルルルルル、ガチャ、ピッ。
次回予告!
夢・・・・無・・・・幻・・・・源・・・・大切な人・・・・失いたくない人・・・・私は・・・・私は・・・・兄さん・・・・
鬼の命が終わりを告げるとき、世界に災いを撒く存在が目を覚ます。
次回、異界守護月天封印10魔将伝、第六話、虚無の覚醒〜静寂を司どるもの〜
全ての歯車は、今、動き始める。
| 前のページへ | 次ぎのページへ |
|---|---|
| 月天ノベルズ | TopPage |