気神大天飛騨 1
気神大天参上!
太助「た・・ただいま・・・」
シャオ「太助様おかえ・・・どうなさったんですか?その傷?」
太助「あ・・ああこれか。帰る途中でキリュウに会ってさ・・・」
シャオ「なら心配有りませんね。来々長沙」
太助「・・・天の助けだ・・・」
その時、玄関のチャイムが鳴った。
太助「シャオ頼んだ」
シャオ「はい太助様。ちょっと待って下さい」
シャオ「太助様宛ですよ」
たすけ「へーなになに・・・父さんからか・・・やな予感・・・“こんにちは!!(日本に帰っている)・・・略・・・というわけで、神武玉というのを見つけた。日本にも心の清い者だけシリーズがあったなんて、ちょっと感動モノだよな。まあとにかく送ってやる。心の清い人だけ、玉に触る事が出来るそうだ。早速父さんも挑戦してみたが、全然だめだった。手袋をしたら触れたけどな。太助、父さんの心はすっかり汚れているようだよ。はっはっはっ”・・・父さん、それは支天輪でとっくに確認済みだって」
シャオ「太助様、触ってみたらどうですか?」
太助「ああ、そうだな・・・・・・」
太助の手は玉に触れた。
その瞬間、辺りが光りに包まれた。
そしてそこには、少年の姿があった。年は太助と同じくらい、身長は170くらい、顔は出雲以上だ。
少年「ふー、400年ぶりにやっと出てこれた。・・・お、あなたか。守護月天シャオリンは。あなたの話、聞いたことがあります。・・・っと、申し遅れました。私は気神大天飛騨(きしんたいてんひだ)。「気」を操ったり、話し掛けたりして、主の生活を補助するわけです。まあ飛騨と呼んでください。・・・で、あなたが私の主、・・・七梨太助様・・・ですね」
少年とは思えないほど口振りが上品だ。
太助「飛騨というと岐阜県の・・・」
飛騨「主様、何と申されたか?」
太助「いや、いい。それより、何で俺の名前を?」
飛騨「私は気神大天。あなたの物に聞かせてもらいました」
太助は、テレビを指さして言った。
太助「じゃあ、これはなんていう名前で、何をする物だ?」
飛騨「ちょっと待って下さい」
飛騨は神武玉を握り、その手でテレビに軽く触れた。
飛騨「・・・・・・わかりました。これは“てれび”と言うもので、いろいろなものを映す道具ですね」
太助「本物だよ。これは・・・」
その時、キリュウが下りてきた。
キリュウ「主殿、今日の試練はどう・・・・・・この人は?」
太助「ああ、“気神大天飛騨”って言うんだって。これでやっと男が増えた。那奈姉が帰ってきても、もう安心だよ」
キリュウ「気神大天・・・何かで聞いたことがある・・・」
シャオ「そう言えば、私もですわ」
飛騨「それはそうでしょう。私は日本で生まれて、主とともに中国へわたり、そこに500年ほどいましたから」
太助「じゃあ何で今日本に?」
飛騨「それも主に連れてこられたからです。確か600年ほど前ですね」
太助「ふーん。ま、父親の愛情の塊ともいえるな」
飛騨「主様、何かすることは有りませんか?」
太助「この時代の勉強」
シャオ「たっ、太助様・・・」
飛騨「大丈夫です主様。“てれび”の気から聞きました。
太助「(これは楽そうだ。良かった良かった)」
次の日
シャオが起きたとき、すでに飛騨は起きていた。
シャオ「おはようございます飛騨さん」
飛騨「・・・・・・・・・・・・」
飛騨は座ったまま動かない。が、その右手には神武玉がしっかりと握られている。
シャオ「飛騨さん?」
飛騨「・・・・・・ふう。おや、これはシャオリン様。おはようございます」
シャオ「何をやっているんですか?」
飛騨「気を扱うのには少々慣れが必要なんです。そのための予行演習ですよ」
シャオ「大変ですか?」
飛騨「いや、これをしないと主様に迷惑をかけてしまいますから。そう思うとなんでもありませんよ。それにしてもシャオリン様も朝がお早いですね」
シャオ「朝ご飯や、太助様のお弁当を作らなくちゃいけませんから」
飛騨「・・・私も手伝っていいですか?ちょっと本物でもやりたいし・・・」
シャオ「はい。ぜひ頼みます」
二人は一緒に朝ご飯を作ることになった。
飛騨「その気になれば私一人で作れますが、料理の作り方や調味料、包丁の使い方が分からないので、私はシャオリン様の助手をしましょう。何かあったら私に言って下さい」
太助が下りてきた。
太助「この時間にはまだ朝ご飯はまだのはずだからな。着替えてこよう」
すると、ドア越しにシャオが話し掛けてきた。
シャオ「太助様。朝ご飯出来てますよ。こちらに来て下さい」
太助が行ってみると、配膳まで完全に終えた二人が雑談をしていた。
太助「(シャオにあんなに気軽に話し掛けていやがる・・・)」
太助よ、二人はどちらも精霊だ。気が合って当然とは思わんのか?
シャオが言った。
シャオ「太助様。私、みんなを起こしてきますから、それまで少し待ってて下さい」
太助「あ、ああ。シャオ」
シャオが出て行くと、飛騨が口を開いた。
飛騨「主様。こんなことを言ってはいけないと思いますが・・・、主様は恋をされているでしょう。・・・それも・・・シャオリン様へ・・・」
太助「・・・まあな」
飛騨「シャオリン様は守護月天。その運命から解き放たぬ限り、決して人と結ばれることはない・・・」
太助「わかってるよ。そのために・・」
飛騨「キリュウ様から試練を受けているというわけですね」
太助「何でそこまで知ってんだよ」
飛騨「・・・あなたのものと話してみました。やはり物には主の心が伝わっていくようです」
太助が黙っていると、扉が開いて、キリュウ、ルーアン、そしてシャオが入ってきた。
ルーアン「ちょ、ちょっと誰よあんたぁ!?」
飛騨「そう興奮なされますな、慶幸日天ルーアン様。私は気神大天飛騨といいます。今日から主様とあなたがたの世話になります」
シャオ「日本で生まれたんですって」
飛騨「シャオリン様、そのようなことは出来れば申されぬ方がいいのだが・・・」
キリュウ「いいではないか飛騨殿」
飛騨「・・・万難地天キリュウ様、あなたがそう言うのなら・・・」
しゃべり方のよく似た二人だ。まったく。
30分後
太助&シャオ「いってきまーす」
飛騨「主様達、どこへ行くのだ?」
シャオ「“学校”と言うところですわ」
飛騨「・・・主様、私も行っていいか?」
太助「ああ、来いよ」
通学路
翔子「よう七梨。新しいお仲間か?」
太助「ああ」
飛騨「気神大天飛騨といいます。あなたの名は・・・山野辺翔子・・・ですね」
翔子「えっ!?」
太助「じつは、かくかくしかじか・・・と言うわけなんだ。」
翔子「へえ、面白そうな奴」
太助「そんな事言ってる場合じゃないと思うんだな。俺」
翔子「なんでだ?」
太助「学校についてみりゃわかるよ」
学校にて
飛騨は、学校がなんなのか知るために、壁に手を当てていた。
飛騨「・・・・・・ふう。主様、学校のこと、完璧に覚えました。行きましょう」
そこへヤジ(?)が飛ぶ。
女生徒「あの人誰?なんか超イイ感じじゃない?」
女生徒「出雲さんよりカッコイイよね」
女生徒「転校生かな?」
女生徒「とにかく、まずはクラスがどこか調べるべきでしょ」
飛騨「なんだか周りが騒がしいが・・・なにかあったのか?主様」
太助「気にすんなって」
翔子「なるほど。こういうことか」
とにかく教室についた4人。そこでも容赦無いヤジ(?)が・・・
女生徒「あの人見てよ。超カッコイイ」
女生徒「なんでここにいるの?」
女生徒「出雲さんよりイイ!」
女生徒「七梨のこと、主様とか呼んでるわ。どういう関係なの?」
女生徒「ってゆうか、あの人の名前は?」
女生徒達「・・・・・・・・・・」
女生徒達「あなたの名前、なんていうの?」
女生徒達「どこから来たの?」
飛騨「主様、この者達をどうにかしてもいいか?」
女生徒達「キャー!!シビレルー!!!」
シャオ「太助様、いけません。気を甘く見てはいけません!」
太助「なら今のうちに見ておいた方がいいだろ。飛騨、いいよ」
飛騨「主様、感謝する」
飛騨は神武玉を力いっぱい握りしめ、その手をかざした後、こう叫んだ。
飛騨「・・・地気集来!!!」
次の瞬間の、教室内の光景は凄まじい物だったという。
気をぶつけるだけなので、物理的ダメージは無いが、全員気絶したのだ。
たった一人を除いて・・・
シャオ「飛騨さん・・・太助様を傷つけましたね・・・許しません・・・」
飛騨「シャオリン様、これは主様が認めたことです」
シャオ「来々天陰!!」
飛騨「・・・仕方有りません。これだけは使いたくありませんでしたが・・・天気集来!!!」
シャオも倒された。
飛騨「シャオリン様、主様、申し訳ない・・・」
その時、飛騨の目には涙が浮かんでいるようにもみえた。
そして10分後、太助が起きた。
太助「お前、こんなことになるまでやったのか!もういい!神武玉へ帰れ!!」
飛騨「主様・・・・・・わかりました。私は神武玉へ帰りましょう」
太助「今後一切会いに来るな!!」
飛騨「・・・・・・・・・」
夕方、太助の家
部屋のテーブルにちょこんと神武玉が転がっていた。
キリュウ「主殿、シャオ殿から話は聞いた。主殿、飛騨殿が騒がれるのを見て、なにかこう・・・嫉妬の念を抱いたのではないか?」
太助「・・・そうかもしれない・・・。なあ飛騨、あのあと考えたんだけどさ、やっぱり俺の方が悪かった。お前に使えって言ったのは俺だし・・・シャオが止めるのも聞かずに・・・」
シャオ「太助様・・・」
ルーアン「そうよ。キレたシャオを倒せるのはあなただけなのよ」
太助「なあ飛騨、また楽しくやろうぜ。だから・・・帰ってきてくれよ」
そこに、飛騨の姿が・・・
飛騨「主様にそう言ってもらうとは嬉しいです。これからも、あなたを主様と呼んでいいですか?」
太助「ああ、もちろんだよ」
キリュウ「ところでシャオ殿、晩御飯はまだかな?もうお腹が減った」
シャオ「はい、今から用意します」
飛騨「シャオリン様、私も手伝いましょう」
ルーアン「たー様その間一緒にあそびましょ」
太助「ルーアンついてくるなー」
飛騨「・・・天気集来」
編集後記
自作小説第2作です。
話の展開が「万難地天がやってきた!」に似ているのは気のせいだ。うん。
もしかしたら続くかも・・・ということで1です。
1999/4/7 TAKE
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