気神大天飛騨 2
飛騨の試練

いつものように飛騨が居間でのんびりしていると、そこへキリュウが顔を出した。
キリュウ「なあ飛騨殿。最近主殿の試練が単調化していると思うのだが」
飛騨「確かに。物を大きくしてぶつけるだけというのは・・・」
キリュウ「そこでだ。何か案はないか?」
飛騨「何故そのようなことを?」
キリュウ「主殿のためだ」
飛騨「なら喜んで協力しましょう」
飛騨も主に仕える身、「主のため」という言葉には弱いようだ。
飛騨「ですが、そんなに急に言われても無理です。キリュウ様」
キリュウ「いや、私はそう焦ってはいない」
飛騨「顔が焦っておりますが・・・」
キリュウ「・・・・・・」
キリュウ、そう真っ赤になるな。

二日後

飛騨「キリュウ様、今日は私があなたの代わりをしましょう」
キリュウ「何か思いついたのか?飛騨殿」
太助「こ・・こいつがキリュウの代わりに試練・・?」
キリュウ「主殿、これも試練だ」

飛騨「主様、シャオリン様を守護月天の宿命から解き放つには、少なくとも自分の気の確立というものが必要です」
太助「は・・はあ・・・」
飛騨「では主様、最初は弱く行きますよ!」
太助「神武玉を握りしめて・・その格好は・・・」
飛騨「気反来!!」
太助はすぐに気絶してしまった。
飛騨「・・・シャオリン様、主様を軒轅で運んで下さい」
シャオ「はい、飛騨さん」

太助達が行くと、キリュウが現れた。
飛騨「確かにこんなものではシャオリン様を解き放つのは無理ですね」
キリュウ「私の試練が甘いというのか」
飛騨「いや、そんなつもりではありません」
キリュウ「なら良い」
飛騨「ではキリュウ様、行きましょう」
キリュウ「どこにだ?」
飛騨「学校にですよ」
キリュウ「また面倒なことになるぞ」
飛騨「平気ですよ」

ここで飛騨の使うアレについて説明を・・・

彼は一応「気」を扱う精霊だが、気を集中させて相手にぶつけることによって精神的なダメージを与える。
それは弱い順に
気反来
気召来
気集来
地気召来
地気集来
天気召来
天気集来
となっております。気反来は相手の気の中に反対の意思の気を作ることによって反発させる技。気召来、気集来は目標以外からの気を呼んで相手にぶつける技。地気○○は大地の気を集め呼んで相手にぶつける技。天気○○は、天の気を集め相手にぶつける技。
召来は呼ぶだけだが、集来は気が気を呼んでより強力にさせる、ということらしいです。

シャオと太助を乗せた軒轅が、学校に着いた。その後を追うように短天扇に乗ったキリュウ、全力疾走の飛騨が門をくぐった。

女生徒「ああ、いつかのあの人よ」
女生徒「あっ、ほんとだ」
女生徒「今日こそ名前を聞くわ」
女生徒「私が先よっ」
名前を聞く順番を争って喧嘩をはじめる女生徒達。やっぱりこの時代は平和だ・・・
女生徒「ああ、あの方が去ってしまう」
女生徒「あなたが私を止めるからよ!」
女生徒「あら、悪いのはあなたじゃないの!」
又違う理由で喧嘩をはじめる女生徒達。平和だな ああ平和だな 平和だな

飛騨「今日から私も学校とやらに行くことにします」
太助「あぁ・・・もうどうにでもなれ」
飛騨「そう絶望しないでください。主様をある程度鍛えたら行かないですから」
女生徒「そんな事言わずに、ずっといてぇ」
飛騨「では、試練をやりますか?主様」
太助「ああ。どんと来い!」
飛騨「そんな事言ってられませんよ。・・・気反来!」
太助はやはり気絶してしまった。
飛騨「主様、まだまだですね」

授業中にも飛騨は不意をついて気反来を使ってくる。
太助はそのたびに気絶。太助は今日の学校にいる時間の大半を気絶状態ですごした。
そして帰宅時間。
ルーアン「たー様一緒に帰りましょー」
花織「七梨先輩とは私が一緒に帰るのっ」
飛騨「二人とも、主様はこれから試練です。ついて来ると言うのなら、この私が許しません。今日はあきらめて下さい」
花織「イヤーッ花織あきらめないんだもん」
飛騨「諦めないのなら、どうなっても知りませんよ」
飛騨は神武玉を握りしめた。
ルーアン「え・・・まさか・・・」
太助「おい飛騨!やめろ!!」
飛騨「主様・・・わかりました」
花織「七梨先パーイッッ!ありがとうございまーす!!」
飛騨「やはり試練の邪魔は許せません。・・・はぁっ!!」
飛騨がそう言って力を込めた瞬間、校門が閉まった。
太助「それならいい。人にあまり気をぶつけるのはよせ」
飛騨「ですが、愛原さんなら気召来ぐらい耐えられそうですよ」
太助「なぜ?」
飛騨「愛原さんは今、いつもにもまして主様に会いたい一心でいます。その心が自分の気の確立に一役買っている、というわけです」
太助「そんなもんかねぇ・・・」
飛騨「試してみましょう。責任は私が負います。・・・気召来!!」
花織は一瞬ふらっとしたものの、すぐにもとに戻った。
飛騨「まだ信じられませんか?なら主様、シャオリン様との別れは必至ですよ」
太助「(そうだ。俺はシャオを守護月天の宿命から開放させるためにがんばってるんじゃないか!)」
飛騨「気反来!」
太助「うぁっ・・・・・あ、なんともない・・・」
飛騨「こんなものですよ。まだ信じられないというんでしたら、私は神武玉へ帰ります」
どうでもいいが飛騨よ、いつの間にそんな脅迫することを覚えたんだ・・・?
太助「わかったよ。信じる」
飛騨「ですが主様、さっきの気反来でも、かなり衝撃が大きかったようですよ」
太助「ま、まあな」
飛騨「他人のたった一つの言葉だけで心を動かしてしまうようではまだまだですよ」
(どうやら単行本第4巻の事を言っているらしい)
太助「・・・・・・」
飛騨「ところで主様、試練は家でなされますか?」
太助「ん・・・あ、ああ。そうしよう」

太助の家

飛騨が太助を諭している間に軒轅で一足先に帰ったシャオが、晩ご飯のための買い物に行こうとしていた。
シャオ「太助様、お帰りなさい。私、買い物に行ってきます」
太助「ああ」
飛騨「・・・・・・・・・ふう。これでもう邪魔は入りません。主様、安心して下さい」
太助「(逆に安心出来ねぇよ、これじゃ)」
飛騨「主様、何を考えているのですか?」
太助「いや、何でもないよ。さあ来い!」
飛騨「・・・気召来!」
その時、音を聞いたキリュウが降りてきた。
キリュウ「やあ主殿に飛騨殿」
飛騨「キリュウ様・・・主様は、想像以上に弱いです」
そう言う飛騨の前には、気絶した太助がいた。
飛騨「キリュウ様、やはりあなたの試練が弱いのではないのでしょうか」
キリュウ「・・・・・・」
飛騨「次からは試練を厳しくなされることですね。あなたはどうも気が弱いらしい。私は寝ます。二日連続徹夜でしたから、もう眠いのなんの」
キリュウ「その間、私もがんばってみよう」

その頃、ルーアンと花織はまだ校門でがんばっていたりする。

次の日

飛騨「主様、今日一日、誰とも口を利いてはいけません」
太助「なっ、なんでだよ」
飛騨「試練です。あなたの気を強くするための」
太助「(今日は鬼田畑の授業があるのにぃ・・・)」
飛騨「もし口を利こう物なら・・・」
太助「わ、わかったよ」
飛騨「それから、この事を口外してもだめです。(私は気神大天。本当はこんなことをしたくはないのだが・・・)」

翔子「よう七梨」
太助「・・・・・・」
翔子「七梨、どうしたんだ?」
太助「・・・・・・」
翔子「七梨?今日のお前、変だぞ」
太助は急いで学校へ駆けていった。

田畑先生「じゃあ、この問題を・・・七梨!やってみろ!」
太助「・・・・・・」
田畑先生「七梨!どうした!!こんな問題も分からんのか!!」
太助「(うらむぞ、飛騨・・・)」
シャオ「太助様、X=3,Y=5です」
太助「・・・・・・」
シャオ「太助様?」
田畑先生「守護月天!余計なことをいうな!」
シャオ「は・はい!」
田畑先生「七梨、もういい!代わりに野村、やってみろ!」

太助は何とか学校での一日までを乗り越えた。
そして下校時間

ルーアン「たー様ぁ、一緒に帰りましょぉ!」
花織「先パーイッ、今日泊まりに行ってもいいですかぁ?」
太助「・・・・・・」
ルーアン「たー様、なにウジウジしてるのぉ?」
ルーアンは太助に抱き着いた。
太助「・・・・・・」
ルーアン「(たー様、いつもなら「離れろ!」とかいうのに・・・)」
花織「先生!先輩に抱き着かないで下さいよ!」
ルーアンは太助から離れた。
ルーアン「ねえ愛原さん、今日のたー様、何かおかしいと思わない?」
花織「ええ、確かに」
ルーアン「何かあるわね」
花織とルーアンは、顔を見合わせた。
花織&ルーアン「愛する人のピンチ!助けなきゃ!!」

シャオ「太助様、今日の晩ご飯、何がいいですか?」
太助「・・・・・・(ああ飛騨・・・)」
シャオ「今日の太助様、絶対変です!」
太助「・・・・・・(ちくしょおォォォォ!!!)」
シャオ「・・・・・・」
太助「・・・・・・」
シャオ「・・・あの、太助様、こうして二人っきりで歩いてるとさ、なんだか・・・」
飛騨「(シャオリン様、私に気付かないとは・・・やはり重傷だ・・・)」
シャオ「その・・・とっても嬉しいです!」
太助「・・・・・・(ああシャオ、俺もとっても嬉しいよぉ・・・)」

帰ると、バージョンアップしたキリュウの試練の嵐。

太助「(泣き言も言えないなんて・・・)」
キリュウ「主殿、いつもと違って熱が入っていないようだな」
太助「(いつもよりバリバリ入ってるよ)」
キリュウ「熱の入っていない試練など、試練に入らん。今日はこれで終わろう」
太助「(ああ良かった)」

ルーアンの「必殺陽天心しゃべらないとどうなっても知らないわよ攻撃」にも耐え、
花織の「七梨先輩遊びに来たけどしゃべってくれないんなら花織泊まっちゃうわよ攻撃」にも耐え、日付のかわる12時まであと30秒。
飛騨「主様、あと30秒です」
太助「(今日は地獄だった・・・あと20秒・・・)」
飛騨「あと10秒・・・終わりです!!」
太助「ふー、しゃべらないってのは疲れることだ・・・」
飛騨「でも主様は約束どおり今日一日しゃべらなかった。合格です」
その時、シャオとルーアン、花織が部屋に入ってきた」
ルーアン「たー様ぁ、そんな事なら早く言ってくれたら良かったのにぃ・・・」
花織「そうですよ七梨先輩。花織とおーーーっても心配したんだからぁ」
シャオ「太助様、そういうことだったんですか・・・」
飛騨「二人とも、出ていってもらいますよ」
飛騨は神武玉を握った。その格好はルーアンにとって、まさに「弾込めよーし」なるものだった。
ルーアン「愛原さん・・・逃げるわよおーーー!!!」
ルーアンは花織をつかんで全力疾走。
花織「先生!きゃあーーー!!」

飛騨「では、私はこの辺で失礼します」
飛騨は自分の部屋へ帰っていった。神武玉に力を入れてから・・・

シャオ「じゃあ、私ももう寝ますんで・・・あら?扉が開かない・・・?」
太助「え・・・ちょっと・・・でいっ!!・・・本当だ・・・開かない・・・」

その頃、飛騨はドアの外にいた。
飛騨「主様、シャオリン様と二人っきりの一時をお過ごし下さい。私からの贈り物です・・・おや、キリュウ様。なにか?」
キリュウ「今日も一部始終を見せてもらった。あなたもなかなかやるな。だが、主殿にとっては、現状が一番の試練だ」
飛騨「フフ・・確かにそうですね」

その夜、意気投合したキリュウと飛騨は朝まで試練について語り合ったという。

4時間後、ずっと全力疾走していたルーアンはやっと気付いた。飛騨が「二人」と言ったことに・・・
ルーアン「あんにゃろぉ、よくもだましたな!!よーし、陽天心・・・げ!慌ててたから黒天筒忘れてきたあ!!!」


自作小説第二弾第二章です。
本題に入ってからが少し短かったですね(^^ゞ

キリュウファンにはちょっと耐えられない文章こうせいかもしれませんねえ。

1999/4/10 TAKE


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