Written By コード=ロジック
何年たっても月は変わらない。
そして、私もまた月のように変わらない存在だった。
それを変えてくれたのはあの人。
私は庭に出て月を眺めていました。
6年前も、同じように月を眺めていた事があったけど、そのときは自分の中にあったもやもやで眠れなかったから。
今はそのもやもやが何であるか分かっています。
「どうしたの、眠れないのかい。」
ふいに声をかけられ、私は後ろを振り向きました。
そこには予想通り、1人の青年が立っていました。
「いいえ、あんまり月がきれいだったので。」
私は声をかけてきた青年に向かってそう言うと青年のために場所を空けました。
「ホントにきれいだね。」
青年はそういいながら私の隣に立ち、私にジャンパーをかけてくれました。
まだ、少年の面影が残る彼。
成長したにもかかわらず、その優しい微笑みは、はじめてあった頃とちっとも変わっていません。
私が、守護月天として彼にお仕えしたそのときから・・・
「やっぱり眠れないよなぁ。」
俺は、そう言うとベットから起きて窓の外を見ていた。
さすがに明日の事を考えると寝た方がいいのだがどうしても眠れない。
眠れないならと、ベランダに出て深呼吸をする。
今日はきれいな満月が昇っていた。
月を見ながら、俺は昔の事を思い出していた。
6年前、俺は親父から不思議なリングをもらった。
そのリングは中を覗けた者に月の守りを授けてくれるという伝説のある不思議なリングだった。
もちろん当時の俺はそんな伝説を信じていなかった。
というよりかは、親父がそんなたいそうな物を手に入れられるとは思ってなかった、と言うのが正解か。
それまでにいろんな物が送られてきたがどれもこれも役に立ったためしがなかったからだ。
しかし、今回ばかりは違った。
確かに、俺はそのリングのおかげで月の守りを手に入れた。
月の守り・・・月の精霊「守護月天」を・・・
ふと下を見ると彼女が玄関先で俺と同じように月を見ていた。
どうやら彼女も眠れないらしい。
俺は、彼女が風邪をひかないようにジャンパーを持つと下へ降りていった。
「なあ、やっぱり明日の事が気になるのかい。」
彼は優しい微笑を私に向けながらそう尋ねてきました。
「いいえ・・・と言ったら嘘になります。
やっぱり不安は拭えないんです。
私は夢を見てるんじゃないなかなって。
本当はここじゃなくて支天輪の中からあなたを見ているんじゃないかって。」
すると、彼は私を抱き寄せて
「違うよ。君はここにいる。間違いなくね。」
そういうと私を抱きしめてくれました。
やっぱり・・・
彼女がこういう危惧を覚えるのは分かっていた。
不安なのは当然だ。
精霊だった彼女にとって、絶対に訪れるはずのなかった、今という時。
それを不安に思わないはずがない。
確かに彼女1人ならその不安に押しつぶされてしまうかもしれない。
だけど、
「大丈夫だよ。俺がいるだろ。俺が必ずまもってみせるさ。かつて、君が俺をまもってくれた様に・・・」
その一言は、私の不安を吹き飛ばしてくれました。
「大丈夫」
この一言に今までどれだけ救われてきた事でしょう。
彼がそう言ってくれると、不思議と不安がなくなります。
「はい。」
私はそう言うと彼に体を預けました。
彼のにおい、彼の鼓動、そして彼の暖かさ。
それらが私を安心させてくれます。
「必ず幸せにして見せる。必ず・・・」
俺はそう言うと彼女の顔を持ち上げました。
「シャオ・・・好きだ。愛している。」
「私もです。太助さん。ウォー アイ ニー。」
2人の影が1つに重なる。
恋人たちは、月の祝福を受けながら互いの気持ちを確かめ合っていた。
後書き
こんにちは、コード=ロジックです。
「まもって守護月天!」の短編小説も3作目になりました。
今回は見て分かってもらえたと思うんですが、結婚前夜の2人を書いてみました。
しかし、書いてて思いました。
すげー恥ずかしい。(^_^;)
まあ、自分にこーゆーのも書けるんだ、と言う確認にはなりましたけどね。
ちなみに、設定なんですがこの話は2人が出会ってから6年後。
太助は20歳になっています。
また、シャオは人間になりました。
どういう方法かは秘密。(考えてないという意見もある。(^_^;))
あと、支天輪や星神たちがどうなったかについては想像に任せます。
ルーアンとキリュウは、精霊器には戻ってませんが七梨家にはいない事にしています。
今回は、あえて2人の名前を最後の方まで出しませんでした。
まあ、読めばすぐに分かっちゃうんですけど。
それと、シャオの太助を呼ぶ呼称を「〜さん」にしました。
さすがに、もう主従の関係はないですからね。
あと、人称を1人称にし、さらにシャオと太助を交互に出しています。
分かってもらえたでしょうか?
一応3行ほど空けてある所でキャラが入れ替わっています。
(編集注:HTMLに変換するのに際して色で区別させていただきました。
空行はブラウザによって解釈に差があるので・・・ )
それから、今回は都合上他のキャラは一切なし。
ルーアンもキリュウも翔子もだーれも出てきません。
彼らのファンの方ごめんなさい。
出したくないわけではないんですけどね。
どうもシャオと太助の2人に話が集中してしまうんですよね。
あと、残念なのが最後のシャオのセリフ。
「ウォー アイ ニー」
これを漢字で書きたかった。
どうしても「ニー」のところが見つからず結局カタカナ表記になっちゃいました。
誰か漢字で表記できるという方、教えてくださいませんか?
ここはどうしても直したい個所なので。
で、実はこの話の裏ストーリーみたいなのもあります。
主役は、シャオでも太助でもルーアンでもキリュウでも翔子でもない。
なんと、太助の母、さゆりさんです。
この人の事ですから今でもボランティア活動をしているのではないでしょうか。
その彼女が息子の結婚を聞いてどう動くのか、それを書いてみようかな、と。
まあ、本当に書くかは分かりませんが。(^_^;)
このストーリーに関する感想、苦情などは次のアドレスまでお願いします。
それではまたお会いしましょう。
1999年 3月29日
メールアドレス:cord@remus.dti.ne.jp
コード=ロジック
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