春が近づき、暖かくなってきた頃・・・・・
太助は一人デパートへと足を踏み入れた。
「うーーーん・・・どんなのがいいかなぁ・・・・」
デパートの中で何かを探し、さまよう太助。
「クリスマスにネックレスあげたことあったけど・・・・今度は・・・・」
その時その何かが目に映った。
「これは・・・・」
それは綺麗な模様が描かれたスカーフであった。
「決めた!シャオへのホワイトデーのプレゼント!これで行こう!!」
さっそくレジに持っていく太助。
「消費税込みで『1070円』になります!」
「ふっ・・・所詮俺は中学生さ・・・」
そう言って太助は千円札と百円玉を出し、おつりの30円を受け取るのであった。
そして・・・3月14日。ホワイトデー当日がやってきた。
「太助様。朝御飯が出来ましたよ」
「ああ。サンキューシャオ」
その時太助は異常な視線を感じた。
ルーアンが太助の方をじっと見つめている。
「・・・何?ルーアン?」
「い、いえ、なんでも・・・」
すぐに視線をそらすが、明らかに意識している。
恐らくホワイトデーのプレゼントが気になっているのだろう。
一方のシャオはいつもと変わらない。
当然ホワイトデーのことは知らないだろう。
(さて・・・いつ渡そうか・・・・)
と、思っていたその時!
ピンポーン
「ん?誰だろう・・・こんな朝早く・・・」
ちょっと嫌な予感がしながら太助は玄関を開けた。
「シャオちゃんおはよー!!」
「おはようございます、シャオさん!!」
「ルーアン先生!おはようございます!!」
「七梨先輩!おっはよー!!」
「おはよう、七梨!」
予感は見事に的中。
たかし、出雲、乎一郎、花織、翔子といつものメンバーが集まっていた。
「お前ら・・・なんなんだよ。朝から・・・」
ぐったりとする太助。
こいつらが来た理由ぐらい想像がつくが一応聞く。
「いやぁちょっとね。はははは」
笑ってごまかすたかし。
その後ろで太助の方を見つめる花織。
目が輝いている。明らかに太助のプレゼントが目当てである。
(期待されてもなぁ・・・愛原のぶんは用意してないぞ・・・)
「さてシャオさんはっと・・・」
ぐいっ!
さっそく上がろうとした出雲の後ろ髪をたかしが引っ張った。
「何するんですか!」
「そうはいかないぜ、出雲。シャオちゃんには俺が・・・」
その瞬間、たかしと出雲の間に火花が散った。
「あらみなさんおはようございます」
「シャオちゃん!」
「シャオさん!」
そこに現れたシャオを見て、声がハモるたかしと出雲。
「せっかくですから、朝御飯いかがですか?まだたくさんありますよ」
「ではお言葉に甘えて」
「待て出雲!」
速攻で上がる出雲と慌てて後を追うたかし。
それに続いて他のメンバーも続々と上がってくる。
「はぁ・・・・結局こうなるのかぁ・・・」
「おいしいですね、シャオさんの料理は」
「ああ!めちゃくちゃうまいぜ!!シャオちゃん!!」
「ありがとうございます」
七梨家の食卓にはおなじみのメンバーが座って朝御飯を頂いていた。
だからけっこうな大人数である。
(くっそー・・・これじゃいつ渡したらいいのか・・・)
太助はプレゼントを渡すチャンスを狙っているが、こう人が多くちゃ渡せない。
「・・・・・・・」
そんな太助の様子をシャオの作った朝飯を食べながら横目で見る翔子の姿が・・・
「ふー、ごちそうさん。七梨、ちょっと・・・・」
「えっ?」
二人は台所から少し離れて話し始めた。
「買ったのか?ホワイトデーのプレゼント」
「あ、ああ・・・」
「やるじゃん、七梨!」
「でも・・・渡すチャンスがないよ・・・」
「ったくしょうがねーな・・・」
朝食が終わり、食器を洗っているシャオのもとへ行く翔子。
「シャオ、ちょっといいか?」
「なんですか?翔子さん?」
「今日はホワイトデーなんだ。知ってるか?」
「ほわいとでー・・・ですか?そのわりには白くないですが・・・」
「いや、実はホワイトデーが過ぎると、男は真っ白になって消えちゃうんだ!」
「ええっ!!それじゃ太助様も消えてしまうんですか!?」
「そうだ。だから消えないように一緒にいなくちゃいけないんだ」
「わかりました!太助様をお守りしてきます!」
シャオは慌てて台所から駆け出していった。
「翔子殿・・・また何か吹き込んだな・・・」
「うおっ!キリュウいつの間に!」
「さっきからいたぞ。気づかないとは試練が足りんな」
「試練は関係ないんじゃ・・・あっそうだ!キリュウ!協力してくれ!」
「シャオさんにプレゼントを渡すのはこの私・・・」
「いーや!俺だ!!」
出雲とたかしは相変わらず火花を散らしていた。
二人ともシャオにホワイトデーのプレゼントを渡そうとして、お互い邪魔しあっているのだ。
と、そこへシャオが通りがかる。
「あっ!シャオちゃん!実は・・・」
「おっと足がすべった!!」
どんっ!
「うあっ!」
わざとらしくたかしを突き飛ばす出雲。
「シャオさん、あなたのために今日は・・・」
「あの・・・すみません、太助様は・・・」
「えっ?いやあっちの部屋に・・・」
「ありがとうございます!」
シャオは出雲を振り切って太助を探しに行ってしまった・・・
「あぁっ!シャオさぁぁぁぁん!!」
「ざまみろ、天罰だ・・・」
一方別の場所では・・・
「ルーアン先生!先輩のプレゼントはあたしのものですよ!!」
「ふん!たー様があんたなんかに渡すわけないじゃない!!」
こちらも熱い火花が散っていた。
太助のもとへ行こうとする花織とルーアンのにらみ合いが続き、膠着状態だ。
その時シャオがそんな二人の横を通り過ぎていった!
「ああーっ!!シャオ先輩!!」
「おのれシャオリン!!抜け駆けは許さないわよ!!陽天心・・・」
と、その時、
「万象大乱」
ぎゅむっ!!
「きゃあっ!!なにこれ!?」
突然上から降ってきたやわらかい物に潰される花織とルーアン。
「これは・・・あたしのこの前買ったお団子!こんなにおっきくなって・・・いただきまーす!!」
さっき朝御飯を食べたにも関わらず、ルーアンは巨大団子を食べ始めた。
「翔子殿・・・これで主殿の試練になるのか?」
「ああ、愛原にあの巨大団子がどかせるわけがない。ルーアン先生なら平気だろうけど食べるのに夢中になってくれる。どっちみち時間稼ぎにはなるさ。あとは七梨だ・・・うまくやれよ」
「太助様!!」
「シャオ?」
突然現れたシャオに驚く太助。
「ホワイトデーが過ぎると男の人は消えちゃうって・・・それで急いでここに・・・」
「山野辺・・・またお前か・・・でもそれで心配して俺のとこに来てくれたのか・・・・・・」
そう思って顔を赤くする太助。
そこで大事な用事を思い出す。
「あっあっあっあのシャオ」
「はい?」
「こ・・・これ・・・プレゼント・・・・」
そう言って小さな包みを渡す。
「私に・・・ですか?」
シャオが包みを開けると中には綺麗な模様のスカーフが・・・
「シャオに似合うと思って・・・買ったんだ・・・・」
「太助様・・・・私、嬉しいです・・・・」
シャオは早速スカーフを巻いて見せた。
「似合いますか・・・太助様?」
「ああ・・・とってもよく似合うよ・・・・」
「くっそぉぉぉぉぉ、太助ぇぇぇぇぇ」
「結局太助君が一番乗りでしたか・・・・・・」
「えーん、七梨せんぱいぃぃぃぃぃぃ」
「悔しい・・・・あたしとしたことがついついお団子に夢中に・・・もぐもぐ・・・」
部屋の外で思いっきり悔しがる4人の姿と・・・
「やれやれ・・・うまくいったな・・・」
「今回は試練成功といったところか・・・」
二人の幸せを喜ぶ翔子とキリュウの姿があった。
「ルーアン先生・・・僕のプレゼントは・・・」
ついでに一人ほったらかしの乎一郎の姿もあった・・・・
Fin
後書き
ひさしぶりにまともな月天小説を書いた気がする・・・
今回はホワイトデーのお話です。ほのぼのです。
やはりこういう話は心が安らいでいいですね。
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