小説「まもって守護月天!」(知教空天楊明推参!)


≪第二十五話≫
『変な競争』

今までいろいろと言ってきた。
しかし私はもう我慢できなかった。
何に対して我慢できないかというと・・・。
「だからキリュウさんはだらしないんですよ。なんだってこの程度の暑さで・・・。」
「だらしないとはなんだ!!これは私の体質なんだ!!」
「体質だったら直すくらいの努力はしたらどうなんですか!!
毎日毎日冷気をねだって・・・。私は冷房じゃないんです!!」
「だからっていちいち馬鹿にした様に言わなくても良いではないか!!
大体ヨウメイ殿は口が悪過ぎるぞ!!」
「うるさいですね!!これは私のたい・・・」
「たい・・・なんだ?体質か?私に言った事を言ってくるとはな。」
「くっ・・・。分かりました、こうなったら取引といきましょう。」
「取引?」
「そうです。私はこれから三日間口が悪いなんて言わせないような言動を絶対取ります。
その代わりキリュウさんは、どんなに理不尽に暑くても我慢する様にしてください。」
「・・・なるほど、それは面白そうだな。普段から口が悪いヨウメイ殿がどこまで頑張れるかな?」
「う、うるさ・・・いや・・・。それで、もしどちらかがそれを破ったら、
破った方は一週間この家の皆の手足となって働くというのは?」
「それはいい考えだな。よし、決まりだ。」
というわけで私とヨウメイ殿は握手することによってその競争(?)に同意。
かくしてどちらにとっても無謀といえる時間が始まった・・・。

「へえー、競争をねえ。とりあえずキリュウは扇風機とかいった冷房器具も使わないんだな?」
「そうだ。」
「それでヨウメイは、常に誰かが傍に居て言動をチェックする、と。」
「そうです。」
これまた面白そうな競走に出会えたもんだ。ここに来て正解だったぜ。
「山野辺、何にやついてんだよ。」
「別に。」
「ところで確認しておきますけど、あくまでも聞いてすぐに口が悪いと思えるものですからね。」
「例えば?」
「例えば・・・って、私に言わせないでくださいよ。」
引っかからずにヨウメイは黙り込んだ。ちぇ、やっぱだめか。
まあ、あっさり終わっちまったらつまんないしな。
「太助様、教えてください。」
「えっ、いや、こういう事は那奈姉の方が・・・」
「なんだと?太助、プロレスの技を教えてやろうか・・・。」
ぼきぼきと手を鳴らす那奈ねぇ。うわっ、恐い顔だねえ。
七梨の奴って妙なところでいらない事言ってるなあ。
「た、タンマ!分かった、俺が言うよ。
つまり、こんちくしょ―!とか、てやんでぇ!とか・・・。」
「主様、私はそんな言葉使いませんよ・・・。」
呆れ顔のヨウメイにたじっとなる七梨。
駄目駄目じゃんか、こいつ。
「まあそんな事どうでもいいじゃない。ところでキリュウは暑さに耐えるのよね?」
「そう言ったはずだが。」
「だったら火でも焚こうかしら。燃やす物有るでしょ?」
「おっ、さすがはルーアン、分かってるじゃないか。」
「丁度お掃除してゴミとか沢山あったんですよ。庭に固めておいてありますわ。」
「というわけでキリュウに燃やす係を頼もうか。」
キリュウを見るとビシッと固まっている。
そりゃまあ、こんな風も無い炎天下の日に火の番をしろなんてのは無茶だな。
それでも皆に急かされて立ち上がるキリュウ。去り際にヨウメイに言った。
「なあヨウメイ殿、少し手加減みたいな物を・・・」
「何を言われるんですか。ワンちゃんの落し物でも召し上がってください。」
「・・・?」
ヨウメイの言葉に皆が首を傾げる。ワンちゃんの落し物?なんだそりゃ・・・。
一人、那奈ねぇだけは意味がわかったようで何やらため息をついている。
「なるほどな。確かに聞いた限りじゃあ口は悪くないな。」
「えへ。」
照れた様に笑うヨウメイ。一体なんだってんだ?
どう考えても分からなかったので那奈ねぇにきいてみた。
すると小声でこう言ってくれた。
「“犬の糞でもぶっ食らえ”ってことだよ。」
「ぶっ!!!」
思わずふきだしてしまった。犬の・・・おいおい、なんちゅうことを言うんだ。
それでもこれは確かに引っかかる事じゃないな。表面上は・・・。
「どうしたんですか?翔子さん。ワンちゃんの落とし物ってなんですか?」
「いや、シャオは気にしちゃいけない。きっぱり忘れる事だ。」
「はあ、そうですか・・・。」
不思議そうな顔をするシャオをなだめ、あたしはキリュウに向いた。
「キリュウ、早く燃やしてこいって。な?」
「しかし・・・。夏の暑さには耐えられるが、それに火の熱さまで加わっては・・・。」
うんうん、気持ちは良く分かるぜ。暑さに弱くなくたって、そんな事したくないよな。
弱気になっているキリュウを見て、再びヨウメイが口を開いた。
「キリュウさん、一昨日おいで願いたいですね。」
「ま、まあそうかな・・・。」
キリュウが返事をするが、明らかにあの顔はわかっていない。
今回はあたしも分かった。一昨日というのはおととい。
つまり、ヨウメイが言いたいのは“おとといきやがれ”ってことだ。
よくもまあこんな・・・。
「うーん、一昨日っていうのはおとといの事ですよね。
どうやって来れば良いんでしょうか。」
「シャオリン、そんなの来れるわけ無いでしょ・・・。」
真面目に考え込んでいるシャオ。おとといきやがれって言葉知らないのかな。
「なるほど、“おとといきやがれ”か。ヨウメイ、なかなかあじな真似を・・・。」
感心した様に七梨は頷いてやがる。お前な、そんなんで感心してどうしようってんだ。
それよりキリュウはどう反応してるんだろ。七梨が言っちまったから分かったはずだよな。
「ヨウメイ殿・・・いくらなんでもそれは許せないな。」
「思うところを私は申し上げただけです。更に言えば、主様は感心なさったんですよ。
人の取り方はどうあれ、表面上には全然汚い言葉じゃないでしょう?」
「む・・・。」
キリュウのやつ、黙り込んじゃった。
それにしてもヨウメイって口が上手いよな。これも知教空天ゆえのとりえってヤツかな。
そんな事より、キリュウにはさっさと炎の試練を(試練じゃないけど)をやってもらわないと。
「キリュウ、なにぼさっとつったってんの。早く外行って燃やしてこいって。」
あたしがはっぱをかけると、しぶしぶながらもキリュウは外へ向かって歩き出した。
と思ったらぴたっと出口で立ち止まる。一体なんだ?
「せめて、誰か一人くらい傍に・・・。」
なんちゅうー贅沢なヤツだ。ま、あたしが言う前にヨウメイが何か言うかな?
「キリュウさん・・・。」
来た。今度はどんな言葉を発するんだろう?
それが楽しみになってか、那奈姉もわざと何も言わなかったような顔をしている。
七梨もじっと見入ってるし、ルーアン先生もシャオも・・・。こりゃ楽しみだ。
「・・・いえ、止めておきます。」
ずるっ。おいおい、人が楽しみにしてるって時にそりゃないだろ〜。
「ヨウメイ、何でもいいから喋ってよ。」
「ヨウメイさん、なにか一言。」
ルーアン先生とシャオが・・・って、なんでシャオまで?
あたしが知らない間に随分と積極的になったもんだ。
「あの・・・無理に期待されても・・・。」
「ふっ、ネタ切れか?ヨウメイ殿。」
なんと、嘲笑うかのようにキリュウが!って、さっさと燃やしてこいっつーの。
「キリュウさん、それは失礼じゃありませんか?いちいち五月の蝿みたいな事を・・・。」
「五月の蝿?・・・五月蝿いか、なるほどな。」
頷くキリュウ。・・・確かにキリュウのいう通りネタ切れっぽいな。
那奈ねぇの方を何気なくチラッと見ると、真剣な目つきで二人をじっと見ている。
何をそんなに見る事があるんだか・・・。
「文句をつける前に自分の仕事をなさってください。
だから反比例に脳が発達していくんですよ。」
「反比例?発達?・・・どういう意味だ!!それは関係があるのか!!」
しばらくの考察の後、キリュウは理解した様だ。
ヨウメイが言いたいことは、要は退化って事。それにしてもキリュウ・・・。
「おいキリュウ、いい加減燃やしてこいって。いつまでもヨウメイの失敗を狙ってんじゃないよ。」
「翔子の言う通りだ。自分の嫌な事をしないまま終わろうなんて虫が良すぎるぞ。」
あたしと一緒になって那奈ねぇも抗議。
当たり前の行為だ。キリュウの暑さに耐えている様子も見えずに終わっちまうなんてもったいない。
それに、ヨウメイがどんな悪口を繰出してくるのか、楽しみは後にとっておかないとな。
「キリュウさん、お二方の言う通りです。鳥と終了させてください。」
「・・・鳥と?」
なんだか暗号みたいになってきた。鳥ってのは・・・
「キリュウ、ほら早く。」
「う、うむ・・・。」
那奈ねぇに促されて、ヨウメイの言葉の真意を知ることなく、キリュウは部屋を出ていった。
もちろん、那奈ねぇ以外は誰も分かってない様子だ。

パタンとドアが閉められた後で那奈ねぇに聞いてみると・・・。
「ヨウメイ、鳥って“とっと”って事だろ?つまりとっとと終わらせろ、って事だな。」
「ほへー・・・。」
とっととを言うのに普通そんな言葉使うか?ただもんじゃないな、ヨウメイの奴。
呆れると同時に感心しているあたし達。と、そこでヨウメイが立ちあがった。
「それでは皆さん。キリュウさんの頑張る姿を見に行こうじゃありませんか。」
笑顔で言っている。特別に悪い言葉でもない。
けれど、明らかにそれは皮肉だった。けど皮肉は審査の対象外だしな。
とまあいろいろあって、やっとのこと皆で庭に出たわけだ。
「・・・皆して見るのならなぜ手伝ってくれない。」
「何をおっしゃる。キリュウさんのご勇姿をとくと堪能させていただきますよ。」
「・・・・・・。」
つまり、キリュウの無様な姿を面白がって見るって事か。
だんだん表立って言葉に出て来たようだな。けれどこれじゃあ引っかからない。
「まあいい、それでは火をつけるぞ。」
ドラム缶一杯に枯葉だの雑草だのゴミだのが積めこまれている。
キリュウは下の方に有る小さな窓に新聞紙を突っ込み、そこに火をつけた。
こんな暑い日はさすがに燃えやすく(関係無いけど)、あっという間に炎は大きくなった。
「あ、熱い・・・!!」
火が出始めて約一分後、キリュウは早くも庭の隅のほうへと避難した。
木陰でなにやら汗を拭っているが・・・。
「ちょっとキリュウ!あんた早くもダウンしてどうすんのよ!!
ちゃんと火の傍についてないと駄目でしょ!!」
「家が火事にならないよう、しっかり見張っててくれないと・・・。」
ルーアン先生と七梨が声をかける。それでもキリュウは嫌そうな顔のまま・・・。
まあしょうがないよな。あんな火の傍で誰が居たいってんだ。
「キリュウさーん、貧しく弱いですよー。」
「・・・誰が貧弱だ!!」
ヨウメイの言葉によって、だだだっとキリュウは駆け出してきた。
貧弱ねえ・・・それを分解して貧しく弱い・・・。なんなんだ、これは・・・。
「元気じゃないですか、頑張ってくださいね。」
「くっ・・・。那奈殿!さっきの言葉は引っかからないのか!!」
なんと物言いを出してきた。確かに分かりやすいしなあ・・・。
「言っておくぞ、キリュウ。ヨウメイの言葉は貧弱とも取れる。
だけど、ただ単に貧しくて弱いとも取れるし、それが何を差すかも言っていない。」
「しかし、先に“キリュウさーん”と!」
「ただ呼んだだけかもしれないだろ?」
「那奈さんの言う通りです。火をごらんになってください。」
ヨウメイに言われて全員で一斉に炎を見る。
と、先ほどまで激しかったそれはいつのまにか小さく・・・。
「私は火について言ったのです。湿っているのでしょうか、気をつけないと消えてしまいます。」
「・・・それはこじ付けではないか?」
「そういう風に取れないでもないですね。
ですが、一番の条件として、あからさまに悪口なら、という事があったはずです。」
「・・・分かった、今回の事は気にしない事にする。」
諦めた様に、キリュウは火の番に戻った。
ヨウメイの言う事って、いわば屁理屈みたいな様に見えるけど筋は合っている。
ただ、キリュウと違って不利なのは、一日中ずっとそういう筋を合わさなければならないという点か。
けれどもこの様子じゃあまだまだ・・・って気がする。
頭が良くて口が悪いなんて、最恐の要素だしな。
で、無事に火は勢い良く燃え出した様だ。辺りの気温が上昇する・・・。
「熱いな・・・なあみんな、家に入ってようぜ。」
「たー様にさんせーい。クーラーかけて冷たいおやつでも食べましょう。」
「ではキリュウさんも・・・」
「待ったシャオ、キリュウは一人で火の番だ。当然冷たいおやつも無し。」
「そ、そんな・・・。」
悲痛な顔をするキリュウ。ま、そういうルールだし・・・。
「それではキリュウさんが気の毒ですよ。
キリュウさん、後で冷淡でないコーヒーをお持ちしますね。」
「冷淡でない・・・暖かいか!?」
「なぜそう思われるんですか。冷淡でない、ですから。」
「なあヨウメイ、ひょっとしてアツアツ?」
あたしが横から告げると、ヨウメイは少しばかりにやっと笑った。どうやら正解だ。
「ふざけるな!そんなものは絶対に要らないからな!!」
「それは残念。では後ほど・・・。」
軽くお辞儀をして部屋へと引き下がるヨウメイ。
端から見ればなんて丁寧な奴だろうって思えるだろうな。しかし実際は・・・。
意外なヨウメイの強さに、あたしは思わず笑みがこぼれるのだった。

そんなこんなで三日目。ここまで私は懸命に暑さに耐えた。
なるほど、慣れればそれなりにできるものだな。ヨウメイ殿の言う事も一理有り、か。
そして、その肝心のヨウメイ殿だが・・・。
「ヨウメイ殿、今日の予定はなんだ?」
「・・・はい。」
「ヨウメイさん、おやつはいりませんか?」
「・・・はい。」
「ヨウメイ、ほらほら瓠瓜だぞ〜。」
「・・・はい。」
「ねえヨウメイ、あんたのお饅頭もらうからね。」
「・・・はい。」
なんと、“はい”という返事しかしなくなってしまったのだ。
何やら目も虚ろ、御飯を食べる時もボーっと。
深く考えすぎていないか?無理に悪口を綺麗に喋ろうとしなくても・・・。
「なあヨウメイ殿、つらいのならもう止めにしないか?」
見兼ねた私は中止の案を出した。
私自身はかなり暑さに耐えられるようになったからそれなりに満足なのだ。
今までの暑さに弱い姿など見せる事ももはや無いだろう。
するとヨウメイ殿は、ようやく“はい”という言葉外のことを言ってくれた。
「一応決めた事ですから。キリュウさんが頑張ってることですし、私も頑張らないと。」
にこりと笑って言うその姿はとても健気に思えた。
そしてヨウメイ殿は静かに私の傍から去って行く・・・。
過去の主に対しての態度がこんな様子だったはずだ。
それを私に対して・・・なんだか嬉しいな。
とはいうものの、これが済めばまたいつものヨウメイ殿に戻りそうだが・・・。
ともかく翔子殿が初日に言っていた事は当たりの様だ。
ヨウメイ殿はとにかく一日中ずっと筋を通さねばならない。
いくらヨウメイ殿が頭が良いからといっても、無理に考えているのでは必ず限界が・・・待てよ。
ある考えが浮かんだ私は、急ぎ足で二階の部屋へ向かった。
そして机に向かっているヨウメイ殿に尋ねる。
「ヨウメイ殿、ひょっとして無理にでも悪口を言おうとか考えていたのではないか?」
「・・・ええ、まあ。でも、さすがに同じ事は言うわけにはいかないですし。
初日に火を焚いたでしょう?あの時思ったんです。このままじゃあ不公平だなって。
それで変化させた表現方法も、同じ物は使わない様にとか考えて・・・やっぱり無理がありましたかね?」
やはりか・・・。一日に百以上は平気で言っていたが、まさかそこまで考えていた物とは。
「ヨウメイ殿、もう止めた方がいい。これ以上続けて、貴方に狂われるのは迷惑だ。」
「ふれんじいですか?大丈夫ですよ、私は・・・なんて言ってられませんか。
すでに約束事破っちゃいました。私の負けです・・・。」
「な、なんだと?いつ悪口を言った?」
「いえ、同じ表現を使っちゃったもんですから。ふれんじいってのは狂乱って意味なんです。
狂われるというのをまあ、名詞形に直して狂い。で、ちょっとひねって狂乱。
それを古代語に直せば良かったんですが、とっさに浮かんだのが英語だったもんですから。
英語に直すってのは二日目に使っちゃいましたからねえ、という訳です。」
深深と、それでいてしおらしく頭を下げるヨウメイ殿。
ヨウメイ殿がボーっとしている所為か、説明は私には良く分からなかったが、
とにかくヨウメイ殿は複雑な事項、そして条件を付け加えて私と張り合っていた様だ。
「ヨウメイ殿、どうしてそこまでして・・・。」
「だって、キリュウさんが暑さを克服する事に比べれば、私のほうは軽いですから。」
「しかし・・・それではあまりにも・・・。」
「もういいじゃないですか。とりあえず私は負けましたから。
最初の約束通りに一週間この家の皆の手足となって働きますね。」
にこっと笑ったかと思うとすっと立ちあがったヨウメイ殿。
統天書を持ってきりっとした顔に変えて部屋を出ていった。

そしてそれから一週間の間。ヨウメイ殿は約束通り見事手足となって働いた。
なんとなく気まずかった私はそれなりに手伝ったりしたが・・・。
「キリュウさん、そんな情けは必要無いですよ。これは勝負の結果なんですから。」
「しかしヨウメイ殿・・・。」
「いいから、ここは全て私がやりますって。」
あっさりとヨウメイ殿は断り、自分の仕事をやり遂げて行った。
家の掃除洗濯等の家事、無くなった物を探す、その他の雑用・・・。
何かがヨウメイ殿の中で変わったのか?
いや、ヨウメイ殿はもともとこういう性格だったな。自分のすべき事をきちんとやる。
最初の挑発も、それをみなに知らしめるためのものだったのだろうか・・・。
そんな事を考えながら、再び一週間ほど時が流れ・・・。
「あ、暑い・・・。なぜだ?私は暑いのに耐えたはずなのに。」
「キリュウさん、どうやら真の体質までは直せなかったみたいですね。
つまり、キリュウさんはどうあがこうが暑がりなんですね。無駄な努力でした。」
そう、私は再び暑さに立ち向かえなくなっていた。
今までと同じく、だらんと、ぐったりと・・・。
そしてヨウメイ殿も口が悪いのが直ったわけではない様だ・・・。
「やはり、死なないと体質は直らないという事か。」
「それじゃあ死んでみますか?そういう術有りますよ。」
「・・・遠慮しておく。」
「おや、それは残念。今なら天国地獄巡りツアーが付いて来るのに。」
「そんな冗談は言うな。ますます暑くなる・・・。」
「ありゃ、ばれちゃった。まあお互いそれなりに対処して行きましょう。」
「そうだな・・・。」
特に何をするというわけでもないが、私とヨウメイ殿はお互いをしっかり戒めながら生活するのだった。
ルーアン殿がそんな私達を見て一言。
「あんた達ってほんといいコンビねえ・・・。」

≪第二十五話≫終わり


あとがき:はっきり言って、書きたかった部分は「一昨日おいで願いたい」だけです。
それなのにこんな大掛かりな(?)話を・・・。
後が続かなかったので短く区切りました。もうちっと考えて書かんといかんな。


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